山歩き日誌


♪日光白根山(2577m)

    2000/10/9
 《行 程》
   丸沼高原スキー場
     ゴンドラ山麓駅…ゴンドラ山頂駅…大日如来…白根山頂…大日如来…ゴンドラ山頂駅
     *歩行距離 約7km     *歩行時間 約5時間
     (近畿日本ツーリスト ガイド登山)


前の晩から降り始めた雨音が気になって
なかなか眠れなかった。
朝、出発時にはかろうじて雨は上がっていた。

集合場所の川越駅で姉と待ち合わせバスに乗る。
途中またまた雲が低く垂れ込め雨が降り出した。
「今回も、温泉ツアーで終ってしまうかも…」と
頭をかすめた。
丸沼高原スキー場に着いた時には
雨は上がっていたが、どこまでもどんよりとしていた。
ゴンドラに乗ってしばらくは真っ白いガスの中。
地面さえ見えず、気持ちは沈んで行く。

しかし、半ばを過ぎた頃、視界が急にパッと開けた。
雲をつき抜けたのだ。
途端に、沈んでいた気持ちがゴンドラと共に上昇して行く。
乗り合わせた、自称『晴れ男』というおじさんのお陰だと
本気で感謝した。

登山道入口の鹿除けの鉄の扉を開けて
目指す日光白根山へ向けて歩き出した。
既に2000mの標高があるのでずいぶん山が色づいている。

日光白根山 登山道入口付近

朝までの雨でぬかるんだ登山道をズンズン歩いていく。
ぐちゃぐちゃである事を除けば
快適な登山道だ。
途中、大日如来を通過した。

大日如来

歩き始めて最初の休憩は、
七色平への分岐付近。
ここからが本格的な登りになる。
だんだんと道も岩がごろごろして、急坂になってきた。
急登になると、きまって息が切れてくる。
ドキン、ドキン・・・。
心拍数160くらいだろうか。バクバクしている。
まだまだ私の心肺機能は軟弱だ。

ヒーヒー言いながらひたすら登った。
あたりの景色がだんだん変わって行く。
薄暗い森林の中、空が遠くに見えていたのが
いつしか林を抜けてめっきり空が近くなる。
この開放感がまたたまらなく好きだ。

まだまだ山頂は遠い。 湧き上がるガスの中、ゴンドラ山頂駅が見える。

高度感あふれる風景に
しばしば立ち止まり振り返る。
武尊山がすぐ近くに見えた。
なかなか立派な山容だ。
尾瀬の燧ケ岳も雲の上から時々顔を出す。
道はいよいよ険しくなってきた。
ガレている上に小石がザレている。
登りより下りの方が心配だ。

山頂手前のお宮前にザックを置いて
岩だらけの山頂に登った。
風が強く、雲の流れがはやい。
山頂からは360度のパノラマ。
朝の雨がウソのように
青空さえ見えている。
日光の男体山や中禅寺湖がすぐ近くに見えた。

日光白根山山頂にて。 山頂より男体山、中禅寺湖

五色沼の綺麗な翠色が映える。

山頂より五色沼

山頂からお宮に戻り
お弁当のおにぎりを頬張っていると
また、強い風と共にガスってきた。
あんなに晴れていたのに
あっという間に山頂は見えなくなってしまった。
寒くなってきたのでさっさと切り上げ山を降りる事になった。
私達が山頂にいる間だけ、
お天道様は機嫌よく顔を見せてくれたかのようだった。
なんて幸運なんでしょう。

ガレガレのザレザレの道を
転ばないように慎重に降りてゆく。

下山途中、森林との境

帰りも大日如来を通ったので、
無事下山できたお礼に拝んできた。
ゴンドラ山頂駅に着く頃には
風も弱まり、すっかり穏やかな秋の夕暮れになっていた。

日光白根山の三つこぶを背に

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