山歩き日誌
またいつか、晴れた日に必ず訪れたいと思います。これ、私の宿題です。


♪大菩薩峠(1897m) ☆☆ヤマケイハイキング教室 講師 中村昌之氏同行

    2000/10/29
 《行 程》
    裂石=(タクシー)=福ちゃん荘…富士見山荘…大菩薩峠(1897m)…福ちゃん荘…上日川峠…千石茶屋…裂石

    *歩行距離  約8km     *歩行時間   約5時間半  
    *近畿日本ツーリスト ガイド登山


   今日は朝から雨、雨、雨…。
裂石からタクシーに分乗して、福ちゃん荘へ向かう。
標高が高くなるにつれて、木々も赤や黄色に色づいている。
福ちゃん荘から大菩薩峠までは標高差にして約200m。
今回のルートは、大菩薩嶺のピークは踏まない。
登り約200m、下り約1000mという下り主体のコースだ。
心臓より足がヘロヘロになること間違いなしだろう。

今日は、ヤマケイの出版物でおなじみの講師 中村昌之氏を先頭に20名の団体だ。
軽くストレッチなど準備体操をしてから
覚悟を決めて歩き出した。

*中村昌之氏プロフィール*
主にネパールヒマラヤが得意分野。
≪著書≫
「ネパールヒマラヤ・トレッキング案内」
  エベレスト街道、アンナプルナ周遊など8,000mの峰々を
  仰ぐネパールヒマラヤ・ガイドブックの決定版。
「トレッカーのためのネパール学」
  
ネパール入門からトレッキングの装備、技術まで詳しく解説
  します。
「トレッキング・マニュアル」
  トレッキングのABCをやさしく解説した入門マニュアル。

雷岩に向かう唐松尾根を左に分け、進む。
ゆっくり歩いても1時間ちょっとで大菩薩峠に到着した。
相変わらずどこを見ても白いガスの中。
峠上には介山荘が建っている。
一角には小説「大菩薩峠」で知られる中里介山の文学碑も建てられているはずだが
どこにあったのか、気がつかなかった。
今度来た時にはきっと探してみようと思う。

雨の大菩薩峠

昼食30分の休憩をしてから、
少しだけ大菩薩嶺方面へ向かって歩き、
コンパスと地図の実践講座が開かれた。
みんながワッと先生を取り囲み何だか良く見えない。
みんなフンフンとうなづき、良く先生の話を聞いていたけど
地図とコンパス持参してる人、何人いたかな…?
私も今日の目的でもある「地図とコンパスの使い方」
聞き逃さないようにと、必死に背伸びして頑張ったけど
やっぱり、実際に何度も何度も自分で使ってみないと
本当のところ、覚えられない…。
地図とコンパスを取り出しやすいように首にぶら下げて歩き
まめに現在位置を照合する習慣をつけることから始めよう…。

さて、あとは裂石目指して、ひたすら下りが待っている。
雨で滑りやすいので用心しながら
ひたすら歩いた。
ガスの中の紅葉も幻想的でなかなか良いものだ。
もみじが赤く色づいていた。
もみじ(かえで)といえば、色々な種類があるけれど
葉っぱが7つに切れているもみじを
「いろはもみじ」ということを教えてもらった。
今日の収穫だ。

もったいないことに、登山道には葉っぱがもうずいぶん落ちている。
サクサク歩きながら
童話「葉っぱのフレディー」のお話なんかを
思い出しながらもくもくと歩いた。
落ちた葉っぱは来春、土に溶け込んで、木を育てる力になるんだね。
そしてまた新しい葉っぱを生み出す。
いのちの不思議、大自然の設計図…
そんなこと考えながら歩いていた。

****ヤマケイ・ハイキング教室**おさらいコーナー                         
■山登り前のチエックポイント           
1.登山靴 紐の締め方・・・登りと下りでは締め方を変えるといい。
         <登り>足首が楽に曲がるようにゆるめに締める。
         <下り>靴ズレや捻挫防止の意味で、足首まで
              しっかりサポートするように締める。
2.ザック バランスや重量配分、出し入れの機能性を考えたパッキングが疲労防止につながる。
 ・背中に固いものがゴロゴロ当たらないようにパッキングする。
 ・軽いものを下、外側に
 ・重いものを上、内側に
3.雨具 歩き始めから雨具を着ける必要がある場合、少し寒いかな…と思うくらい脱いでから雨具を着用する。
 (ゴアテックスといえども、歩いているうちに必ず暑くなり蒸れるから。)
4.ストック 基本的な山の歩き方を理解した上で、頼りすぎることなく効果的に活用する。
 ・長さは平地でひじが直角になるくらいがちょうど良い。
  →急な登りはやや短めに
 ・よじのぼるような岩場ではかえって邪魔になり、危険。
 ・1本で使うより2本で使った方がより安定し楽に歩ける。 

 

■バテない歩き方のコツ(自分の歩きやすいペースを見つける)
1.歩き始めはゆっくり身体を慣らす。
    30分程度で最初の休憩(5分位)<ウォーミングアップ休憩>
2.その後は45分〜1時間くらいで休むのが効率良い。<定時休憩>
3.急な登りなど、苦しいなと思ったら10秒でも立ち止まって呼吸を整えてから歩き出す。
4.疲れきるまで歩かない。
 ※休憩のタイミングにきまりはないので、山歩きの回数を重ねて行きながら、自分の歩きやすい     ペースを見つけましょう。

 

■コンパスと地図の使い方
1.地図の北より磁石の指す北は、約6度西にずれていると言う事を理解して、地図を読む。       
   (ずれの角度は、場所や年によって少しずつ変わる…らしい。
   最新の情報は国土地理院発行の地図に明記されている…らしい。)
2.コンパスは地面より1mくらいの高さで、水平に使う。
  (地面に置くと磁波を発生させる石などの影響を受けることがある…らしい。)
3.指導標によって現在地がわかったら、必ず地図と照合するくせをつけると良い。
4.こまめに地図とコンパスを使って、いつも現在位置がわかるようにしながら山を歩きましょう。

 

■その他
1.雨の日は、ザックカバーをしても中身が濡れるので、ザックの大きさに合わせたゴミ袋(45リッター位)
  を入れて、その中に荷物を詰めるとあまり濡らさないで済む。
2.団体のツアーでも「連れて行ってもらう」という意識は捨て、自分で地図を用意し、ルートの確認とおよ  そのコースタイムくらいは頭に入れておきましょう。(自立した登山者を目指しましょうとのこと)

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